端正なスクエアケースに、エルメスらしい遊び心が光る腕時計「ケープコッド」。
1991年に登場して以来、モードとクラシックを融合させたそのデザインは、男女問わず多くの人を魅了してきました。
本記事では、ケープコッドの誕生秘話から、マルジェラ期での進化、現行モデル・中古相場・評判や芸能人の着用例まで、ケープコッドの魅力を幅広くご紹介します。
ご購入検討中の方も、すでにお持ちの方も、自分にとっての一本に出会うためのヒントになるはずです。
エルメスの腕時計「ケープコッド」は、1991年の誕生以来、その独創的なデザインで多くの人を魅了してきました。
このセクションでは、ケープコッドがどのような背景で生まれ、どのようにマルジェラ期に進化を遂げていったのか、エルメスのデザイン哲学やアイコニックな要素とともに、歴史を紐解いていきます。
エルメスの「ケープコッド」は、1991年にデザイナーのアンリ・ドリニー(Henri d’Origny)によって生み出されました。
端正なスクエアケースと、エルメスらしい遊び心を感じさせる独創的なデザインは、登場以来、男女問わず多くの人を魅了し続けています。
ケープコッドのデザインは、もともとエルメスのジュエリーデザインにも用いられていたアンカーチェーン(シェーヌダンクル)に着想を得ています。
そのチェーンを長方形のケースに落とし込んだラグのデザインは、クラシックでありながらどこか挑戦的。直線と曲線のバランスが取れたその造形は、クラシック時計の常識を軽やかに裏切るモダンさを持っています。
また、スクエアケースは完全な四角ではなく、程よく丸みを帯びたフォルムが特徴。これにより、性別を問わず手首になじみやすく、「美しさ」と「実用性」を同時に叶えるバランスを実現しています。
画像出典元:エルメス
1997年から2003年にかけて、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)がエルメスのレディース部門アーティスティック・ディレクターを務めました。この「マルジェラ期」に、ケープコッドは新たな進化を遂げます。
特に有名なのが、マルジェラのアイデアによる「ドゥブルトゥール(二重巻き)」ベルトモデルの登場です。
時計ベルトを手首に二重に巻くスタイルは、アクセサリー感覚で楽しめる新しい腕時計のあり方を提案し、現在に至るまでケープコッドを象徴するバリエーションとなっています。
エルメスのケープコッドの購入を検討する際に気になるのが、実際の評判や愛用者の声。
ここではSNSやレビューなどをもとに、ケープコッドがなぜ今も支持され続けているのかを紐解いていきます。
SNSやレビューサイトでは、ケープコッドに対して以下のようなポジティブな意見が多く見られます。
また、エルメスユーザーの中でも「バーキンやケリーは持っているが、時計はまだ…」という層にとって、ケープコッドは“次に選ぶエルメス”としての存在になっています。
ケープコッドの魅力は、「ラグジュアリーすぎず、日常にも溶け込む」という絶妙なバランス感覚にあります。
ストラップが交換できることも、ファッション性の高さを後押しするポイント。特にドゥブルトゥール(二重巻き)は、レザーの色や質感によって印象が大きく変わるため、季節や装いに合わせて“着替える”感覚で楽しめるのも好評です。
画像出典元:エルメス
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また、文字盤の装飾が控えめなことも多く、服の邪魔をしない上品さがあり、ビジネスシーンやフォーマルな場でも自然に溶け込みます。
ユニセックスに使えるデザインが魅力のケープコッド。その着こなしやモデル選びに、性別は関係ありません。
ここでは、男女別の人気モデルとスタイリングの傾向をご紹介します。
ケープコッドはユニセックスなデザインで展開されていますが、男性からも一定の人気があります。
特に支持されているのが、大きめのケースサイズを備えたメンズモデル。程よい厚みと存在感がありつつも、エルメスらしい控えめな上質感が評価されています。
ファッションの好みによっては、シンプルなブラックレザーやアリゲーターストラップのモデルを選び、スーツスタイルにさりげなく合わせる方も多いようです。
画像出典元:エルメス
「ロレックスやオメガとは少し異なる魅力のある、“通”な時計を選びたい」
そんな美意識の高い男性に、ケープコッドは確かな選択肢として受け入れられています。
レディースユーザーには、細身のケース+二重巻きストラップの組み合わせ(ドゥブルトゥール)が特に人気です。
画像出典元:エルメス
このモデルは、手元にアクセサリー感覚の華やかさを添えつつ、エルメスの気品もしっかり備えています。
カラー展開も豊富で、ベーシックなブラックやエトゥープ、差し色になるレッドやブルー系もラインナップされており、服装や季節に合わせて選ぶ楽しさも。
また、レディースサイズでも文字盤がやや大きめに作られているため視認性が高く、オン・オフ問わず使いやすいのも魅力です。
画像出典元:エルメス
「ジュエリーは控えめにしたいけれど、何か一点華がほしい」
そんな女性にぴったりのアイテムとして、ケープコッドは選ばれています。
画像出典元:エルメス
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ケープコッド最大の特徴のひとつは、「男女で共有できるデザイン性」にあります。
過剰な装飾や過度なブランド主張がないため、シェアウォッチとして使われるケースも少なくありません。同じモデルでも、ストラップを変えるだけで印象がガラリと変わるのも、この時計の面白さです。
画像出典元:エルメス
また、性別を問わず「手首が細い or 太い」というフィジカルな問題も、豊富なケースサイズ、ベルト長、素材バリエーションによって柔軟に対応可能です。
シンプルで端正。けれど、どこかエスプリを感じさせる。
「人とかぶらないけれど、一目置かれる時計」を探す全ての人に、ケープコッドは応えてくれます。
ケープコッドには多彩なモデルバリエーションがあります。
ここではスタンダードモデルからダイヤ付き、ドゥブルトゥールなど、人気モデルの特徴と定価を一覧でご紹介します。
※上記は記事更新時点での参考値で、使用される素材や状態などによって変動します。最新の情報は店頭にてご確認されることをおすすめいたします。
ケープコッドのスタンダードモデルは、シンプルなスクエアケースとスイフトなどのレザーストラップを基軸としたデザイン。
画像出典元:エルメス
現行ラインでは、以下のようなバリエーションが主に展開されています。
素材はステンレススチールが基本ですが、一部にゴールドやローズゴールドのコンビモデルも存在します。
ストラップはカーフレザーが主流で、季節ごとの限定カラーや素材違いの展開も特徴的。
定価はモデルや仕様によって異なりますが、スタンダードモデルの定価目安は約350,000円〜450,000円台(税抜)。
ただし、レザーや仕様によって価格変動があり、限定モデルや国内未展開品はさらに高値になる場合もあります。
より華やかさを求める方に人気なのが、文字盤やケースにダイヤモンドをあしらったモデルです。
代表的なのは、ケースの上下左右に小粒のダイヤがセッティングされた「ケープコッド PM ダイヤ」。華やかすぎず、さりげなく上品な輝きを放つデザインが支持されています。
画像出典元:エルメス
ダイヤ付きモデルの定価は、80万円台〜。ホワイトマザーオブパールの文字盤や、クロコダイルストラップが組み合わさると数百万円超のモデルも登場します。
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特に「時計でも自分らしい個性を表現したい」「ジュエリー感覚で楽しみたい」という方には、ダイヤモデルは選ばれることの多い選択肢です。
ケープコッドを語るうえで欠かせないのが、「ドゥブルトゥール」と呼ばれる二重巻きストラップのモデル。
1998年に登場し、瞬く間にアイコン的存在となったこのスタイルは、手元を一層華やかに、そしてスタイリッシュに演出してくれます。
ベルトのバリエーションは非常に多く、ゴールドやオレンジ、ローズ・サクラなど、エルメスならではの絶妙なカラーが揃うのも魅力。
画像出典元:エルメス
画像出典元:エルメス
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定価はおおよそ40万円〜60万円台が中心で、レザーの種類(ヴォー・バレニア、ヴォー・スウィフトなど)でも価格が変動します。
また、近年では限定カラーやアーティストコラボモデルなども登場し、希少価値の高いアイテムとしてコレクター人気も高まっています。
エルメスのケープコッドは、スタンダードなモデルであれば正規店でも比較的入手しやすいと言われています。ただし限定モデルや希少な素材を使ったモデルは生産数が少なく、正規店や公式オンラインブティックでは入手困難なことも。
そこでこのセクションでは、中古(二次流通)市場でのケープコッドの価格相場と、定価との比較、中古(二次流通)市場でのケープコッドの選び方や注意点をご紹介します。
※今回ご紹介するのは、記事更新時点での参考値で、使用される素材や状態などによって変動します。最新の情報は店頭にてご確認されることをおすすめいたします。
エルメス ケープコッドは、中古市場でも安定した人気を誇るモデルです。
スタンダードなステンレスモデルであれば、状態が良好なもので15万円〜30万円前後が相場。新品に近い未使用品でも、定価よりやや安く購入できるケースもあります。
スタンダードなケープコッドの定価と中古相場まとめ
※上記は記事更新時点での参考値で、使用される素材や状態などによって変動します。最新の情報は店頭にてご確認されることをおすすめいたします。
一方、ドゥブルトゥールやダイヤモンドモデルなどの特殊モデルは、30万〜60万円台と価格帯がやや高くなりますが、状態や付属品の有無で大きく変動します。
ドゥブルトゥールケープコッドの定価と中古相場まとめ
※上記は記事更新時点での参考値で、使用される素材や状態などによって変動します。最新の情報は店頭にてご確認されることをおすすめいたします。
特に限定色のストラップ付きや、現行では手に入らないカラーは、プレミア価格となる場合も。
特殊モデル(ダイヤ付き、クロコ素材など)ケープコッドの定価と中古相場まとめ
※上記は記事更新時点での参考値で、使用される素材や状態などによって変動します。最新の情報は店頭にてご確認されることをおすすめいたします。
ご購入前に現行価格と比較してお得かどうかをチェックすることが、中古購入の満足度を高めるポイントです。
近年注目が集まっているのが、1990年代〜2000年代初頭に製造された「マルジェラ期」のケープコッドです。
画像出典元:VOGUE BRITISH
当時の特徴としては、落ち着いた色味のダイヤルやアンティーク調のストラップ、控えめなHERMÈSロゴなどが挙げられます。
マルジェラ期のモデルは、年代が古くてもコレクター需要が高く、スタンダードモデルであっても状態が良ければ40万円以上で取引されることも珍しくありません。
鑑定書や製造年代がわかる資料が揃っていると、さらに価値が上がる傾向にあります。
「人と被らないケープコッドが欲しい」「アーカイブ的価値のあるエルメスに惹かれる」という方には、マルジェラ期モデルは有力な選択肢です。
中古でケープコッドを選ぶ際は、デザインだけでなく状態面のチェックが非常に重要です。以下の点は最低限確認しておくと安心です。
また、「相場よりも極端に安い商品」は注意が必要です。状態不良やリスクのある出品である可能性もあるため、ショップや出品者に状態の詳細画像を送付してもらうなど、購入前に十分なコミュニケーションをとりましょう。
高額商品であるため、実店舗や実績あるリユース店でのご購入を強くおすすめします。
ケープコッドは、洗練されたスタイルを持つ著名人たちからも愛されてきました。
国内外の芸能人の着用例を参考に、日常に取り入れるスタイリングのヒントをご紹介します。
日本国内では、ファッション感度の高い女優やモデルが私服スタイルの中でさりげなくケープコッドを着用していることが多く、スタイリスト経由で登場することもしばしば。
また、過去にはテレビドラマや雑誌のスタイリングで、エルメス ケープコッドの二重巻きモデルが登場した例もあります。
海外では、パリ・ミラノを拠点とするクリエイターやファッションエディター、エフォートレスな着こなしを好む俳優たちに支持されており、ストリートスナップや空港写真などでの着用事例が見られます。
ブランドロゴが主張しすぎないため、「エルメスを知っている人だけが気づく」そのさりげなさも、上級者から好まれる理由のひとつです。
芸能人のコーディネートを参考にすると、ケープコッドは多様なファッションに自然に溶け込む万能アイテムであることがわかります。
画像出典元:エルメス
シンプルなパンツスーツやシャツスタイルに、エトゥープカラーのPMサイズを合わせて。
画像出典元:エルメス
リネンのワンピースやデニムに、カラー付きストラップやドゥブルトゥールで抜け感を演出。
画像出典元:エルメス
ダイヤモンド入りモデルをアクセサリー感覚で着用し、手元に品を添える。
いずれも、主張しすぎず、それでいてスタイル全体を引き締めてくれるのがケープコッドの魅力です。
ケープコッドは、ただの「時計」ではなく、エルメスの歴史と哲学が詰まったアートピースとも言える存在です。
誕生背景に始まり、マルジェラ期の進化、ユニセックスに使えるデザイン、モデルごとの価格帯や評判を見てきた今、あなたはどのようなケープコッドに惹かれましたか?
もし、これからご購入を検討されているなら、ご自身のライフスタイルや価値観に合う1本を選ぶことが大切です。
一方で、すでにケープコッドをお持ちの方にとっては、「いまの価値を知ること」も重要な選択肢になります。特にマルジェラ期モデルや状態の良い個体は、中古市場でも高く評価される傾向があります。
XIAOMAでは、エルメス ケープコッドの買取・販売実績も豊富にございます。限定品や希少モデルのご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。