新品の入手が難しいエルメスのアイテム。その一方で、ヴィンテージ市場では希少な一点ものや、時代を超えて価値が上がるアイテムが注目を集めています。
この記事では、
まで、エルメス専門店の視点からわかりやすく解説します。
エルメスのお品物は新品の入手が難しく、リセール市場が活性化しています。
中でも「ヴィンテージエルメス」と呼ばれるものは、現行モデルでは見られない使用や素材から、新品よりも高い価値を持つことも。
ここではヴィンテージエルメスの定義や魅力をご紹介します。
一般的に「製造から20年以上」がヴィンテージの基準です。エルメスバッグの場合、素材に刻まれた刻印(□A〜□H/◯Zなど)でおおよその製造年が判別できます。
一方、バッグ以外のアクセサリー類では、刻印の有無やロゴで一定の判断ができます。
エルメスの刻印に関して詳しくは、下記の記事もあわせてご覧ください。
あわせて読みたい:【2025年最新版】エルメスの刻印一覧|製造年代や意味を解説
エルメスのお品物は入手が困難ではあるものの、一定の流通数はあり、仕様も統一されています。一方でヴィンテージエルメスは「今では手に入らない仕様」や「当時の素材」が価値になります。
例えばエルメスの人気アクセサリー、シェーヌダンクルブレスレット。ヴィンテージでは手仕事の温かみを感じさせる丸みのあるコマが特徴で、現行のシャープなデザインとは異なる表情を持ちます。
エルメスのお品物が発売から長い年月を経ても高い評価を受ける理由としては、エルメス独自のクラフトマンシップがあります。
一つひとつが職人の手仕事で仕上げられており、さらに、出荷前の検品基準が非常に厳しく、完成度の高い製品しか市場に出ないため、中古品であっても高い状態を維持しているものが多く見られます。
また、エルメスは廃盤・仕様変更が多く、旧モデルがプレミアになることも。市場でも一定の需要があり、再評価されることがあります。
ヴィンテージエルメスには、特に以下の3つの魅力があります。
ヴィンテージエルメスの魅力のひとつは、「正規店では手に入らないエルメス」に出会えるチャンスがあることです。これは主に2つの意味で語ることができます。
一つは、比較的手頃な価格で手に入る場合があるという点。
中古市場には、長年使い込まれたことで小傷やスレのあるお品物も多く流通しています。状態によって価格が大きく変動するため、そういったユーズド品は、エルメス初心者でも手に取りやすい価格帯で購入できることがあります。
もう一つは、すでに廃盤となったモデルや素材に出会える点です。
エルメスは時代に合わせて仕様変更やモデルチェンジを繰り返しており、かつて人気を集めたバッグやアクセサリーが、今では正規ブティックで取り扱われていないケースも少なくありません。
例えば、現在は廃盤となっている「エールライン」などは、流通数こそ限られていますが、中古市場ではまだ見かけることがあります。
また、90年代に多く用いられた「クシュベル」などの素材も、すでに生産終了となっており、今ではヴィンテージでしか出会えない存在です。
エルメスは単なるファッションアイテムにとどまらず、資産としての側面でも注目されています。
正規店での購入が難しいことから、中古市場において定価以上で取引されることも珍しくありません。
特に「この色のケリーが欲しい」「このサイズのバーキンがどうしても欲しい」といった明確なニーズがある場合、リセールショップで定価以上の価格でも購入されるケースが多く、需要の高さが価格の安定性を支えています。
未使用に近い現行モデルはもちろんですが、ヴィンテージエルメスでも価値の高いものがあります。
例えば、限定モデルのケリードールや、ケリーのボックスカーフ × ゴールド金具、バーキンのクシュベル素材などは、現在でも中古市場で高値を維持しており、今後さらに価値が上がる可能性もあるモデルです。
このように、良好なコンディションを保てば、時間の経過とともに価値を育てていくこともできるのが、ヴィンテージエルメスの大きな魅力です。
ヴィンテージエルメスは、「サステナブルな選択肢」としても注目されています。
高品質な素材と熟練の職人技によって生み出されたアイテムは、10年、20年と使い続けられる耐久性を持ち、それ自体が環境負荷の少ない存在です。
さらに、すでに市場に出回っているアイテムを選ぶという行動は、廃棄や過剰生産を抑えることにもつながります。
それは単に「中古品を買う」という行為ではなく、“新品でなくても美しい”という価値観を選ぶことでもあります。
実際、ヴィンテージエルメスには長年の使用によって深みが増したレザーの表情や、今では作られていない特別な金具仕様など、唯一無二の魅力を放つアイテムが多く存在します。
「誰かが大切にしてきた時間を、自分が引き継ぐ」。そんなストーリーが込められた一品を身につけることは、現代のラグジュアリーの新しいかたちとして、多くの人に支持され始めています。
ここからはより具体的に、人気のヴィンテージエルメスをご紹介していきます。ヴィンテージエルメスにご興味のある方はぜひ参考になさってみてくださいね。
※これからご紹介する画像はヴィンテージ(記事更新時点で20年以上前の製品)ではないものも含まれます。あらかじめご了承ください。
ケリーバッグのアイコニックなターンロック金具をあしらった、エルメスらしさが詰まったブレスレット。特にヴィンテージでは、現行よりも厚みのある金具や、チェーンの存在感が魅力です。
シルバー925素材のグルメットGMはユニセックスで使えるデザインで、重ね付けにも最適。クラシカルな装いが好きな方におすすめの一本です。
エルメスのジュエリーラインでも高い人気を誇るシェーヌダンクル。ヴィンテージは現行よりもやや丸みがあり、手作業感のあるコマが特徴です。
ヴィンテージ特有の柔らかい風合いが残されており、ラフに1本で使うだけでコーデが引き締まるアイテムです。
画像出典元:エルメス
遊び心あるデザインが魅力のHキューブネックレスは、90年代から2000年代初頭にかけて人気を集めたモデル。
現行モデルよりもチェーンが細く、エナメルの色味も柔らかい印象。旧ロゴ刻印がある場合は、コレクターの間でも評価される“映えるヴィンテージアクセ”です。
またHキューブ以外にも、HERMÈSではさまざまなHロゴモチーフのアクセサリーが展開されてきており、そのアイコニックなデザインからヴィンテージでも高い人気を誇ります。
エルメスを象徴するバーキンにも、実は時代によって使用される素材や仕様に違いがあり、ヴィンテージとして高い評価を受けているモデルがいくつか存在します。
中でも注目されているのが、現在では使われていない「廃盤素材」を使用した旧刻印のバーキンです。
たとえば、1990年代に多く採用されていた「クシュベル(Coushevel)」は、細かな型押しが特徴のレザーで、現行の「エプソン(Epsom)」の前身素材にあたります。クシュベルは1998年頃に廃盤となり、今ではヴィンテージでしか出会えません。
他にも、艶のある「ボックスカーフ」や、当時は多く採用されていた「ゴールド金具(現行よりマット寄り)」の組み合わせなども、クラシックなヴィンテージバーキンの特徴として人気です。
エルメスを代表するケリーには、時代によってさまざまな仕様の違いがあります。
中でも1990年代以前に製造された“旧型”のミニケリーは、今では再現されないディテールと柔らかな雰囲気で、ヴィンテージ市場でも特に人気の高いアイテムです。
たとえば、現行のミニケリー(ケリー・ミニⅡ)では、持ち手が直線的なデザインになっており、より現代的でシャープな印象を与えます。一方、1990年代のヴィンテージミニケリーは、ハンドルが曲線的かつ華奢なフォルムが特徴です。
また、旧型のケリーには以下のような特徴もあります。
こうしたモデルは、サイズや素材だけでなく「作られていた時代の空気感をまとうバッグ」として評価されており、コーディネートにクラシカルなエレガンスを添えてくれます。
ヴィンテージならではの風合いと、時代を超えて愛されるデザインを求める方には、旧型ケリーはまさにぴったりの選択肢です。
2000年に限定発売されたケリードール。遊び心あふれる顔モチーフとケリーバッグの融合という独創的なデザインで、コレクターズアイテムとしても有名です。
初期ロット(□D刻印)は特に評価が高く、オレンジ×ヴォーガリバーの組み合わせはエルメスらしさも存分に感じられる一品。今後の価格上昇も期待されます。
このような「限定仕様」や「レアライン」と呼ばれるモデルは他にもいくつか存在し、いずれも高い資産価値を持ちます。
例えば、VIP顧客限定で作られる特注のバーキンやケリー(一般的にはない組み合わせのカラーや素材、金具で作られたモデルなど)も、ヴィンテージで高い資産価値を持つ傾向にあります。
バッグやジュエリーだけでなく、エルメスのヴィンテージアイテムには、ベルトや時計といったファッション小物にも根強い人気があります。
中でも代表的なのが「Hベルト」。大きな「H」バックルが特徴的なこのモデルは、90年代から2000年代にかけて幅広いラインナップが展開され、今では廃盤になったレザーや金具カラーの組み合わせも多く存在します。
ヴィンテージのHベルトの魅力は、なんといってもクラシカルで存在感のあるHバックルと、柔らかくエイジングしたレザーの質感。現行モデルとは若干フォルムや厚みが異なるものもあり、より重厚感のある印象を与えてくれます。
たとえば以下のような仕様は、特に人気が高いヴィンテージの条件です。
また、エルメスのヴィンテージ時計も再評価が進んでいるジャンルのひとつです。
たとえば「ケリーウォッチ」は、ケリーバッグのクロア(金具)をモチーフにしたペンダント型の時計で、1990年代には一世を風靡しました。その他にも「Hウォッチ」「クリッパー」など、当時ならではのデザインが人気です。
特にケリーウォッチやHウォッチは、現行では展開が限られているカラーやベルト素材が多く、レトロな雰囲気と遊び心を求める方から高い支持を集めています。
ヴィンテージのベルトや時計は、1点ものに近い個体も多く、自分らしさを表現できるアイテムとしてもおすすめです。コーディネートにさりげなく“エルメスらしさ”をプラスしたい方は、まずこうした小物から取り入れてみてはいかがでしょうか。
これから初めてヴィンテージエルメスのご購入を検討される方にとっては、
といった、さまざまな不安や疑問が思い浮かぶのではないでしょうか。
そこでこの章では、後悔のないヴィンテージエルメス選びをするために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
エルメスはリセール品でも資産価値が高いため、残念ながら偽物の流通も少なくありません。
特に近年では3Dプリンターなどの技術が進化し、精巧に作られたコピー品も存在しており、プロでも見極めが難しいケースもあるほどです。
特にヴィンテージの場合は、経年による使用感があることで真贋判断を難しくさせてしまうケースもあります。だからこそ、最も重要なのが“どこで買うか”という点です。
信頼できるショップかどうかを見極めるためには、以下のようなポイントを参考にしましょう。
こうした条件を満たすショップを選ぶことで、安心してヴィンテージエルメスを購入することができます。
「ヴィンテージ=味わい」とは言え、できるだけ美しい状態のものを選びたいという方も多いはず。
「届いてみたら想像以上に傷んでいた…」というトラブルを避けるためには、事前の商品情報の確認が欠かせません。
もし店頭で実物を確認できない場合でも、ECサイトで詳細写真が掲載されているか、LINEなどで問い合わせ対応をしているかなど、透明性のある販売体制を持つショップを選ぶと安心です。
特に、以下のような状態項目は確認できるとベターです。
写真が多く、傷の程度が明確にわかるショップほど信頼性が高い傾向にあります。
本文中でもご紹介したとおり、エルメスの中には、ヴィンテージであっても価値が落ちにくい、むしろ時間とともに上がっていくモデルが存在します。
もし将来的に売却する可能性がある、または「資産価値も重視して選びたい」とお考えであれば、評価が安定している定番ラインや限定仕様、廃盤素材を使用したモデルを選ぶのがおすすめです。
以下は、資産性という観点から人気の高いヴィンテージアイテムの一例です。
これらのモデルは、ファッションとしての美しさだけでなく「持つことそのものに意味がある」ヴィンテージエルメスとして、長く愛され続けています。
ヴィンテージエルメスはその魅力や希少性から非常に人気の高いジャンルですが、「美しいまま永遠に保てるもの」ではないということも、購入前に知っておきたい大切なポイントです。
ここでは、実際に使用していくうえで注意すべきポイントと、事前にできる対策についてご紹介します。
ヴィンテージアイテムは、たとえ大切に保管されていても、年月の経過によって素材そのものが変化することがあります。特に注意したいのが、以下のような経年劣化です。
たとえば、以下のミニケリーに使用されているボックスカーフ。こちらのような艶感のある素材は乾燥しやすく、ケアを怠ると白く粉を吹いたようになることも。
一方、廃盤のクシュベル(現行のエプソンが後継素材)は比較的丈夫で、長く愛用しやすい素材として人気です。
また、湿気の多い環境では、金具部分のくすみやサビが進行するケースも少なくありません。
こうした劣化を防ぐためには、以下のような定期的なお手入れや保管環境の見直しが有効です。
日常的な小さなメンテナンスの積み重ねが、ヴィンテージを美しく保つ大切な鍵となります。
エルメスは修理対応にも厳格な基準を持つブランドですが、ヴィンテージアイテムの場合、メーカーでの修理を断られるケースがあることも理解しておきましょう。
メーカーでの修理を断られる理由としては下記が挙げられます。
このような場合、信頼できる専門修理業者に依頼するという選択肢があります。実績豊富な業者では、エルメス専用の道具や材料を用いたメンテナンスやリカラー対応が可能なこともあります。
また、ヴィンテージエルメスを長く楽しむためには、下記も確認しておくことをおすすめします。
ヴィンテージエルメスを長く愛用していくためには、「修理前提で選ぶ」という視点も必要です。
特に高価なヴィンテージモデルは、“使い捨て”ではなく“育てる”という意識が満足度の高い購入につながります。
ヴィンテージのエルメスアイテムを長く美しく保つためには、日々のちょっとしたケアや保管方法の工夫が欠かせません。
ここでは、ご自宅で簡単にできるケアの基本と、季節をまたぐような長期保管時に意識しておきたいポイントをご紹介します。
ヴィンテージアイテムは、素材そのものに経年による風合いが加わっていく楽しみも魅力のひとつです。
その風合いを損なうことなく、美しい状態を維持するためには、過度に手をかけるのではなく、丁寧な扱いと日常的な予防ケアが大切です。
使用後や気になったタイミングで、柔らかい布で軽く乾拭きするだけでもホコリや手脂の蓄積を防ぐことができます。
特に金具部分や持ち手など、手が触れやすい箇所はこまめに拭くことで、くすみや変色を予防できます。
革は湿度に敏感な素材です。水分や湿気はカビや色ムラの原因になるため、風通しの良い場所で保管するのが理想的です。
また、長時間にわたって直射日光が当たると、色あせや乾燥が進みやすくなります。保管する場所の環境にも注意しましょう。
しばらく使わないアイテムを保管する場合は、型崩れや劣化を防ぐためのひと手間が重要です。
以下のようなポイントを意識することで、数ヶ月〜数年先まで安心して保管できます。
長期間空の状態で置いておくと、型崩れや折れジワの原因になります。
タオルや薄紙を丸めて詰めることで、バッグの形をきれいに保つことができます。詰めすぎには注意し、自然な膨らみを意識しましょう。
専用のバッグピローもあります。XIAOMAでもオリジナルバッグピローをご購入いただけますので、ぜひご検討ください。
ビニール袋など密閉性の高いものは湿気がこもりやすく、革や金具に悪影響を及ぼすことがあります。
通気性のある不織布の袋や、エルメス純正の布袋に入れて保管するのが理想です。
押し入れやクローゼットに保管する場合は、除湿剤や乾燥剤を併用するのもおすすめです。
月に一度程度取り出して空気を通す「風入れ」も、カビ予防や湿気対策になります。
ヴィンテージエルメスは、“飾るようにしまう”ことで、時が経つほどに魅力を増していきます。
ご自宅の収納環境やライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で丁寧なケアを続けてみてください。
ここまで、ヴィンテージエルメスの魅力や人気アイテム、選び方やケアのポイントについてご紹介してきました。
ヴィンテージならではの特別感は、現行モデルにはない深い味わいがあります。
そんなヴィンテージエルメスを探すなら、安心して購入できる信頼あるショップ選びが何より大切です。
XIAOMAは、エルメス専門のリセールショップとして、バーキンやケリーはもちろん、ブレスレット・ネックレスなどのアクセサリーまで幅広いアイテムを取り扱っています。
「本当に価値のあるヴィンテージエルメスに出会いたい」
そう願う方にこそ、XIAOMAの豊富なラインナップと丁寧なサービスを体験いただきたいと思っています。
時を経てなお輝き続けるエルメスの魅力を、あなたの日常に。
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